SES営業とは何か、どんな仕事をしているのか。SES会社への転職・就職を考えている方も、現役のSES営業担当者も必読の完全解説です。
この記事では、SES営業の仕事内容・一日の流れ・案件獲得の営業フロー・必要なスキルを、2026年の最新状況を踏まえて徹底解説します。
SES営業とは何か
SES(システムエンジニアリングサービス)営業とは、ITエンジニアをクライアント企業に派遣・常駐させる形態のビジネスにおける営業活動です。
具体的には以下の2つの方向で営業活動を行います。
- 案件獲得営業(上流): クライアント企業やビジネスパートナーから、エンジニアを必要とする案件を獲得する
- 要員営業(下流): 自社のエンジニア・ビジネスパートナーのエンジニアを、案件に提案・マッチングさせる

SES営業が相手にする3者
クライアント(エンドユーザー企業)
↕ 案件の発注・エンジニアの受け入れ
SES会社(あなた)
↕ ビジネスパートナーとの情報交換
ビジネスパートナー(他のSES会社・エージェント)
SES営業の仕事内容・一日の流れ
午前中(8:00〜12:00)
8:00〜9:00:一括メール配信
- 前日準備した案件・要員情報をビジネスパートナーへ一斉送信
- 配信後は返信の確認・即レス対応
9:00〜11:00:新着案件・要員の処理
- ビジネスパートナーから届いた案件情報を確認・登録
- 新規要員のスキルシートを受け取り、案件とのマッチング検討
- クライアントへの案件問い合わせ・条件確認
11:00〜12:00:面談調整
- 採用担当者とエンジニアの間の面談日程調整
- 面談前のエンジニアへのブリーフィング(案件説明・想定質問の共有)
午後(13:00〜18:00)
13:00〜15:00:商談・面談対応
- オンライン面談(Zoom / Teams)の立ち会い
- クライアントへの条件交渉
- 新規ビジネスパートナーへの挨拶・情報交換
15:00〜17:00:案件・要員管理
- 管理システムへの案件登録・更新
- 稼働中エンジニアの状況確認・フォロー
- 契約書の作成・確認
17:00〜18:00:翌日の準備
- 翌朝の配信内容の準備(案件・要員情報を更新)
- Slackやメールの未対応を処理
- 週次レポートの作成(月・金曜日)
SES営業の案件獲得フロー完全版
ステップ1:案件情報の収集
SES営業が案件情報を集めるルートは主に3つです。
①直接案件(エンドクライアントから直接)
- 既存顧客からの追加発注・リピート
- 会社のホームページ経由の問い合わせ
- 業界イベント・展示会でのネットワーキング
- LinkedInやXなどSNSでの営業
②間接案件(ビジネスパートナー経由)
- 日次のメール一括配信への返信
- SES営業コミュニティでの情報交換
- ビジネスパートナーからの直接連絡
③商流案件(複数社の商流を通じた案件)
- 2〜3社のSES会社を経由して届く案件
- 単価が低くなりがちだが、案件数は多い
ステップ2:要員の確保
案件を獲得したら(または案件に合いそうな要員を見つけたら)、マッチングを進めます。
案件要件の把握(スキル・単価・稼働条件)
↓
自社エンジニアのスキル検索
↓
マッチする要員がいない場合 → ビジネスパートナーへ問い合わせ
↓
スキルシートを入手
↓
クライアントへ提案
スピードが命: 良い案件への提案は24〜48時間が勝負です。
ステップ3:面談設定
クライアントがエンジニアに興味を持ったら、面談を設定します。
面談設定時に確認すること:
- 面談回数(通常1〜2回、金融・官公庁系は3回も)
- 形式(オンライン / 対面)
- 服装規定
- 面談官の役職・人数
- 合否判断のスケジュール
エンジニアへの事前ブリーフィング(必須):
・案件の概要・業務内容
・クライアントの社風・文化
・面談官の名前・役職
・想定質問と答え方のアドバイス
・単価・稼働条件の確認
ステップ4:条件交渉・契約締結
面談通過後、条件交渉に入ります。
交渉のポイント:
| 項目 | 交渉のコツ |
|---|---|
| 単価 | 下限をエンジニアと事前合意。市場相場を根拠に提示 |
| 稼働開始日 | 1〜2週間の余裕を交渉。急ぎの場合は+αの単価で |
| 稼働日数 | フルタイム vs 週4日など柔軟に提案 |
| リモート比率 | エンジニアの希望を踏まえてクライアントと交渉 |
ステップ5:稼働開始・継続フォロー
稼働後も定期フォローが重要です。
フォローのタイミング:
- 稼働開始1週間後:慣れ具合・困っていることの確認
- 毎月月末:稼働時間の確認・精算
- 契約期間終了2ヶ月前:更新意向の確認
- 定期(四半期ごと):エンジニアのキャリア相談・単価見直し
SES営業に必要なスキル
必須スキル
①ITの基礎知識
エンジニアのスキルシートを読んで理解できる程度の技術知識が必要です。「JavaとPythonの違いは?」「AWSって何?」という状態では案件のマッチング精度が下がります。
②スピード感
SES業界は情報が速く動きます。案件を受け取ったら30分以内の返信、面談通過の連絡も即日対応が基本です。
③コミュニケーション力
エンジニア(技術者)とクライアント(ビジネスサイド)の両方と円滑にコミュニケーションが取れる能力が求められます。
④交渉力
単価・稼働条件・面談日程など、あらゆる局面で交渉が発生します。相手のニーズを理解した上で最適な落とし所を見つける力が重要です。
あると有利なスキル
- SES業界・IT業界の知識(プログラミングの基礎)
- Excelでのデータ管理スキル(BPリスト・案件管理)
- Gmail / Slackなどのツール活用スキル
- 英語力(外資系クライアント・外国籍エンジニア対応)
SES営業の年収・給与相場
SES営業の年収は経験・会社規模・インセンティブ設計によって大きく変わります。
| 経験年数 | 年収の目安 |
|---|---|
| 未経験〜1年 | 300〜400万円 |
| 2〜4年 | 400〜550万円 |
| 5〜10年 | 550〜750万円 |
| マネージャー級 | 700〜1,000万円以上 |
インセンティブ(成果報酬)がある会社では、稼働エンジニア数が増えるほど収入が上がる仕組みが多いです。
SES営業として成功するための3つの習慣
1. 毎朝の一括配信を欠かさない
情報の鮮度が命のSES業界では、毎朝定刻の一括配信が差別化の基本です。「あそこから毎日情報が来る」という認知を積み上げることで、ビジネスパートナーからの信頼が高まります。
2. 返信は30分以内
良い案件・良い要員の情報は奪い合いです。即レスの習慣がないSES営業は、せっかく届いたチャンスを取りこぼし続けます。
3. BPリストを常に更新する
ビジネスパートナーリストは、SES営業の資産です。毎月新規開拓・クレンジングを継続することで、情報の量と質が向上し続けます。
まとめ
SES営業はスピード・IT知識・人間関係構築の3つが成功の鍵です。毎日の一括配信・即レス・定期フォローを習慣化し、ツールを使って効率化することで、少ない人数でも大きな成果を出すことができます。
SES営業の仕事は、エンジニアとクライアントの橋渡し役として、日本のIT業界を支える重要な役割を担っています。